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受験生の子どもと毎日喧嘩になるのはなぜ?親子関係をこじらせないためにできること

2 日前
読了時間: 9分

受験期の親子、なぜ、すれ違ってしまう?


受験が近づくにつれて、子どもとの会話がぎくしゃくしていませんか。


「勉強は進んでいるの?」と聞けば、「今やろうと思っていたのに」と返される。言い争ったあとには、「あんな言い方をしたかったわけではないのに」と、自分を責めてしまうこともあるでしょう。


子どものためを思っているのに、その気持ちが届かない。受験期の親子喧嘩は、親の心配と子どもの不安が、異なる言葉で表れることで起こりやすくなります。


親の愛情が足りないからでも、子どもがわがままだからでもありません。この記事では、親子がぶつかりやすい背景と、関係をこじらせないためにできることを一緒に考えます。





受験期に親子喧嘩が増えるのはなぜ?


受験期は、親も子どもも緊張しやすい時期です。


子どもは勉強や進路への不安に向き合い、親も生活、体調、塾、出願などを支えています。どちらも真剣だからこそ、余裕がなくなり、普段なら受け流せる一言に強く反応することがあります。


受験期の親子だけを対象にした調査ではありませんが、国立成育医療研究センターが2025年に実施した、思春期の子どもとその保護者を対象とする全国調査では、保護者の77.6%が、介護・仕事・育児・家事などについて何らかの「時間のきびしさ」を感じていると回答しました。



受験期の家庭では、そこに受験の準備も重なり、親子ともに心の余裕が少なくなることもあるのではないでしょうか。


喧嘩は、その日の一言だけで起きているとは限りません。親子それぞれに積み重なった疲れや不安が、会話に表れている可能性があります。



受験期に親子がぶつかりやすい3つの理由


1.同じ受験でも、親と子どもでは見えている景色が違う


子どもにとって受験は、自分自身が評価されるように感じやすい出来事です。


  • 合格できるか

  • 期待に応えられるか


自分で進路を決めたい一方で、自信が持てないこともあるでしょう。


親にとっては、子どもの将来に関わる大切な節目です。「後悔してほしくない」「できることはしてあげたい」と思うほど、勉強時間や模試の結果が気になります。


親は「支えたい」という場所から、子どもは「自分で向き合わなくてはいけない」という場所から、同じ受験を見ています。


親の「大丈夫?」が、子どもには「あなたは大丈夫ではない」と聞こえることがあります。子どもの「放っておいて」が、親には「あなたの支えはいらない」と聞こえることもあります。


言葉の表面では拒絶に見えても、その奥には、心配、怖さ、自分で決めたい気持ちが隠れているのかもしれません。



2.親も子どもも余裕がなくなり、言葉を受け取る幅が狭くなる


余裕が少ないときには、何気ない一言にも強く反応してしまいます。


「今日は何時間勉強したの?」


という確認が、子どもには責められているように聞こえる。子どもの「別に」という短い返事が、親には突き放されたように感じられる。


その前には、模試の結果、仕事の疲れ、睡眠不足、出願への焦り、パートナーとの温度差などが積み重なっています。喧嘩をした瞬間だけではなく、親子それぞれが、どのくらい余裕を失っているかを見ることも大切です。



3.親の「心配」が、子どもを管理する言葉に変わってしまう


子どもが心配なとき、親は「もっと勉強したほうがいい」「このままで間に合うの?」と、具体的な行動を促したくなります。どれも、もとをたどれば子どもを思う気持ちから出た言葉でしょう。


けれど、受験の当事者である子どもは、自分でもわかっていることを繰り返し言われると、「信じてもらえていない」「自分のやり方を認めてもらえない」と感じることがあります。

一方、親は反発されるほど不安になり、さらに確認したくなります。



親子の間で、どんな循環が起きているのでしょう


受験期の喧嘩では、親が心配して勉強について確認すると、子どもが「責められた」「信じてもらえていない」と感じて反発し、それを受けて親の不安と確認がさらに増える、という循環が起きることがあります。


受験期に親子の心配と反発が繰り返される循環図

この循環の中では、親は子どもの将来を守ろうとし、子どもは自分の気持ちや決定権を守ろうとしているのかもしれません。


大切なのは、「口を出す親が悪い」「反抗する子どもが悪い」と決めることではありません。どちらを直すかではなく、ふたりの間で何が繰り返されているかを見てみる。それが、関係性を見つめるということです。




喧嘩をなくすより、喧嘩のあとに戻ってこられる関係を育てる


家族だからこそ、感情がぶつかることはあります。大切なのは、喧嘩を「親子関係の失敗」と決めつけないことです。


言いすぎたあとに戻り、相手の話を聞き直し、「本当は心配だった」「そういう言い方をされると不安になる」と言い直す。


そんな小さな修復ができる関係であれば、衝突があっても関係を育て直すことはできます。Odenの「ふたりごと」では、喧嘩をなくすことだけを目指すのではなく、喧嘩のあとにも戻ってこられる関係を育てることを大切にしています。




親子関係をこじらせないためにできる4つのこと


1.声をかける前に、自分が何を心配しているのか確かめる


同じ言葉でも、焦りから出た言葉と、相手を理解したい気持ちから出た言葉では、伝わり方が変わります。


「勉強したの?」と聞きたくなったとき、口に出す前に、少しだけ自分へ問いかけます。


  • 私は今、何を心配しているのだろう

  • 何を確認できれば安心するのだろう

  • この言葉は、子どもを理解するためだろうか?それとも、私の不安を軽くするためだろうか?


自分の不安に気づくことは、声かけを我慢することではありません。「私は心配している」とわかったうえで話すと、子どもを動かす言葉ではなく、自分の気持ちを伝えやすくなります。



2.質問する前に「今、話せる?」と確認する


親が話したいタイミングと、子どもが話せるタイミングは同じとは限りません。帰宅直後、模試の直後、勉強の途中などは、子どもが気持ちを切り替えられていないこともあります。

いきなり本題に入る代わりに、次のように聞くことができます。


  • 「進路のことで少し相談したいんだけど、今話せそう?」

  • 「今日でなくても大丈夫。いつなら話しやすい?」


話すタイミングも一緒に決めることは、子どもにすべてを任せることではなく、受験の主体として尊重する合図になります。


「放っておいて」と言われたときも、「わかった。必要なときは声をかけてね」と少し距離を置き、関係の扉は閉じないようにできます。落ち着いたあとに、話せるタイミングを改めて相談してもよいでしょう。



3.正しい答えより、子どもが見ている景色を聞く


親は経験があるからこそ、早く解決策を伝えたくなります。しかし、子どもが最初に求めているのは、「自分の気持ちをわかってもらえた」という感覚かもしれません。


子どもが「もう無理」と言ったとき、すぐに「そんなこと言わないの」と励ます代わりに、次のように聞くこともできます。


  • 「無理だと思うくらい、今しんどいんだね」

  • 「何が一番重く感じている?」

  • 「聞いてほしい? それとも一緒に考えてほしい?」


国立成育医療研究センターも、子どものストレスへのケアとして、親子で対処を考える資料を公開しています。気持ちを言葉にして聞いてもらうことは、ストレスに向き合う一つの方法です。




4.伝わらなかった日は、あとから言い直す


余裕がなく、つい強い言い方をしてしまう日もあります。そんなとき、「もう遅い」と諦める必要はありません。


  • 「さっきは言いすぎた。ごめんね」

  • 「勉強させたいというより、私は不安だったんだと思う」

  • 「あなたがどう考えているか、落ち着いたら聞かせてほしい」


謝ることは、親としての立場を失うことではありません。うまく伝えられなかったときに関係へ戻る姿を見せることも、大切な対話の一部です。



親自身にも、気持ちを置ける場所が必要です


子どもに穏やかに接したいと思っても、親自身の心に余白がなければ難しいことがあります。


受験期の親が一人で抱え込まず気持ちを話せるイメージ


  • 子どもの前では不安を見せられない

  • パートナーとは温度差を感じる

  • 友人には受験の話ばかりできない


そうして、親が一人で抱え込むことがあります。


けれど、支える人にも支えが必要です。誰かに話すことで答えがすぐに出なくても、「私はこんなに心配していたんだ」「本当は子どもと穏やかに過ごしたいんだ」と、自分の気持ちが見えてくることがあります。



受験期の親子喧嘩について、よくある質問


Q1.受験生には、親は何も言わないほうがよいですか?


何も言わないことが、すべての親子にとってよいとは限りません。大切なのは、声をかけるか、かけないかだけでなく、何のために、どんなタイミングで話すかです。


親の不安を解消するための確認が続くと、子どもは管理されていると感じることがあります。一方で、生活上の相談や必要な情報共有まで避ける必要はありません。「今話せる?」と確認し、子どもの考えを聞くところから始めることもできます。



Q2.家庭で抱えず、外部へ相談したほうがよい目安はありますか?


子どもの不調が長く続く、眠れない、食べられない、学校生活に大きな影響が出ている、自傷や希死念慮をうかがわせる言動がある場合は、家庭だけで抱え込まず、学校の相談窓口、自治体、医療機関などへ相談してください。


暴力や安全上の危険がある場合は、対話だけで解決しようとせず、安全を確保したうえで、状況に合った専門窓口へつながることを優先してください。


一方、緊急性はないものの、親子だけでは話し合いが難しい、子どものことで夫婦やパートナーの意見が合わないという場合には、中立的な第三者と関係性を見つめることも選択肢の一つです。


そんなときは、Odenの「ふたりごと」のような、お互いの思いや価値観を言葉にし、これからの関係を一緒に考える対話の場を活用することもできます。





受験は、親子の関係を見つめ直すきっかけにもなる


受験期に親子がぶつかるのは、相手を大切に思っていないからではありません。親は子どもの将来を思い、子どもは自分の人生に向き合っている。どちらも真剣だからこそ、気持ちがぶつかります。


今、喧嘩が増えていたとしても、それだけで親子関係が壊れたわけではありません。ただ、受験結果を心配するあまりに喧嘩を繰り返すうち、子どもとの信頼関係が大きな影響を受けてしまう可能性もゼロではありません。


あなたは、受験が終わったとき、子どもとどんな関係でいたいでしょうか。


合格という結果だけではなく、「うまくいかない日もあったけれど、一緒に乗り越えた」と思える時間にするために、今日できる小さな対話があるかもしれません。



「どうすればいいか」を、一人で抱え込まないために


受験は、子どもだけでなく、家族全体にとって大きな節目です。


だからこそ、正しい接し方を一人で探し続けるのではなく、親子や夫婦の間で起きていることを、落ち着いて見つめ直す時間を持つことも一つの選択肢です。


Odenの「ふたりごと」では、夫婦・パートナーを中心に、家族の関係性も含め、日常の中で対話を重ねながら、お互いの価値観や思いを理解し、関係を育んでいく時間に伴走しています。


すぐに答えを出すためではなく、まずは、それぞれの言葉を置いてみるために。





執筆/WRITING Oden「ふたりごと」編集部

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Oden「ふたりごと」編集部は、パートナーシップコーチング「ふたりごと」を運営する株式会社Odenの編集チームです。

親子・夫婦・家族など、大切な人との関係性を見つめ、対話を通じて関係を育てていくためのヒントをお届けします。


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