top of page

夫婦で子育ての方針が合わないのはなぜ?違いの奥にある思いと話し合い方

11 分前
読了時間: 10分

子どものためなのに、なぜ、話せなくなる?


子どものことを話そうとするたび、夫婦・パートナーで意見がぶつかっていませんか。


「もっと勉強する習慣をつけたほうがいい」「今は本人の好きなことを大切にしたい」。どちらも子どものことを考えているはずなのに、話し合うほど相手が無責任に見えたり、自分の考えを否定されたように感じたりすることがあります。


夫婦で子育ての方針が合わないのは、どちらかに愛情や関心がないからとは限りません。それぞれの経験や役割、心配していることが違うため、同じ出来事を見ても必要だと思う関わり方が分かれることがあるのです。


この記事では、子育て方針の違いが対立になりやすい背景と、正しさを競わず、ふたりで考えるためのヒントを紹介します。





夫婦で子育ての方針が合わないのは、なぜでしょうか


子育てには、一つの場面だけを見てもさまざまな選択があります。


子どもが宿題をしていないとき、すぐに声をかけるのか、本人が動くまで待つのか。習い事を続けたくないと言ったとき、もう少し頑張るよう促すのか、気持ちを尊重してやめるのか。スマートフォンの使い方やお小遣い、進路について、どこまで親が決めるのか。


どちらが正しいかを簡単に決められないことも多く、親自身の価値観が表れやすいテーマです。


夫婦・パートナーは、それぞれ異なる家庭で育ち、違う経験を重ねています。自分が厳しく育てられて苦しかった人は、子どもの自由を守りたいと思うかもしれません。反対に、厳しく言ってもらったことが今の自分につながっていると感じる人は、努力を促すことも愛情だと考えるかもしれません。


同じ「子どものため」という思いから出た意見でも、その中身が違うことはあります。



子育ての意見が対立になりやすい3つの背景


1.それぞれが「子どものため」と思っている


子どものことを大切に思うほど、自分がよいと考える方法を譲りにくくなることがあります。一方は、将来困らないように生活習慣や勉強を身につけてほしいと思っている。もう一方は、子どもが安心して自分の気持ちを話せることを守りたいと思っている。



2.見えている場面と、背負っている役割が違う


子どもと接する時間や場面が違えば、見えている姿も変わります。


朝の支度や学校との連絡、宿題を日常的に見ている人には、小さなつまずきや変化が積み重なって見えます。一方、休日や夜を中心に関わる人には、「そこまで心配しなくても大丈夫そうだ」と映ることがあります。


そのため、一方は「何もわかっていない」と感じ、もう一方は「心配しすぎではないか」と感じることがあります。こうした立場の違いから、負担の感じ方や、子どもに必要だと思う関わり方にも違いが生まれることがあります。



3.子育てへの意見が、自分への評価のように聞こえる


「もっと子どもに関わってほしい」という言葉が、「親として何もしていない」と聞こえる。「そんなに厳しくしなくていい」という言葉が、「あなたの育て方は間違っている」と聞こえる。


本来は一つの行動について話していたはずが、自分の親としての姿勢や、これまでの頑張りを否定されたように感じると、防御したくなります。説明しようとして言葉が強くなり、相手も責められたと感じて、話し合いが勝ち負けへ変わってしまうことがあります。



違う意見の奥に、同じ願いがあることも


子育て方針について意見が合わないと、「相手は子どものことをわかっていない」と感じることがあります。


方法だけを見ると、ふたりの意見は反対に見えます。けれど、その奥には、どちらにも「子どもを大切にしたい」「幸せに成長してほしい」という願いがあるのかもしれません。



受験期に親子の心配と反発が繰り返される循環図


相手の方法に反対することと、相手が子どもを大切に思っていないことは同じではありません。


それでも話し合いが難しくなるのは、意見の違いだけが原因とは限りません。


「私ばかりが考えている」

「自分の関わり方を否定された」

「何を言っても聞いてもらえない」


そんな思いが重なると、子どもについて話していたはずが、いつの間にか、これまでの負担や夫婦関係への不満をぶつけ合う時間になることがあります。


どちらの方針が正しいかを急いで決める前に、相手がその考えによって何を守ろうとしているのかを聞いてみる。そこから、対立とは別の話し合いの入口が見つかることがあります。



正解を一つにするより、違いを話せる関係を育てる


夫婦・パートナーで、子育ての考えをすべて一致させる必要はありません。


むしろ、子どもの成長や家庭の状況が変われば、以前決めたことが合わなくなることもあります。そのたびに「どちらの方針に従うか」を決めるだけでは、一方が納得しないまま我慢することになりかねません。


必要なのは、違いをなくすことよりも、違いが出たときに話し直せる関係です。


  • 私は何を心配しているのか

  • あなたは何を大切にしたいのか

  • 子ども本人はどう感じているのか


子育て方針は、一度決めて終わる答えではなく、家族の変化に合わせて見直していくものでもあります。



受験期の親が一人で抱え込まず気持ちを話せるイメージ



子育ての方針について話し合うための4つのヒント


1.子どもの前ではなく、話せる時間をつくる


意見の違いに気づいたその場で決着をつけようとすると、子どもの反応や時間への焦りも重なり、言葉が強くなりやすくなります。


緊急性がなければ、まずその場で結論を出さず、あとで話す時間を決めます。


「このこと、私たちで一度話したい。今夜少し時間を取れる?」


子どもの前で相手の方針を否定し合わないことは、意見の違いを隠すことではありません。落ち着いて話せる場所へ、いったん話題を移すということです。



2.結論の前に、心配していることを伝える


「塾へ行かせるべき」「行かせなくていい」と結論から話すと、賛成か反対かの議論になりやすくなります。


その前に、自分が見たことや感じたことを伝えます。


「最近、宿題の前になるとつらそうにしているのが気になっている」

「私は、今のままだと本人があとで困るのではないかと心配している」


相手を評価するのではなく、自分が見た事実と、自分の心配を分けて話すことで、相手も何を話し合いたいのかを受け取りやすくなります。



3.相手の意見の奥にあるものを聴く


相手の結論に納得できないときも、すぐに説得するのではなく、その考えに至った理由を聞いてみます。


  • 何が一番心配なの?

  • その方法で、子どもにどうなってほしいと思っている?

  • 自分が子どものころの経験も関係している?

  • 私にわかってほしいことはある?


答えを聞いたからといって、相手の意見に従う必要はありません。背景を知ることと、同意することは別です。互いの前提が見えると、二つしかないと思っていた選択肢の間に、別の方法を見つけられることがあります。



4.親だけで決めず、子どもの声も確かめる


親同士が正しさを競っている間に、子どもの気持ちが置き去りになることがあります。年齢や発達に応じて、子どもがどう感じ、どうしたいと思っているのかを聞くことも大切です。


家庭での子育て方針について直接示した資料ではありませんが、こども家庭庁も、こども政策を考えるうえで、子どもを意見表明の主体として捉え、その声を聴き、反映することを重視しています。家庭で何かを決めるときにも、子どもの声を置き去りにしないという点は、大切な視点になるのではないでしょうか。



ただし、親の意見を選ばせたり、仲裁役にしたりすることではありません。


「私たちはそれぞれ少し違う考えを持っているけれど、あなたはどう感じている?」


子どもの意見を聞いたうえで、安全や生活に関わる責任は大人が引き受け、家族としての方法を考えます。



わかっていても、ふたりではうまく話せないときに


ここまで読んで、「頭ではわかっていても、そんなふうに話せない」と感じた方もいるかもしれません。


落ち着いて話そうと思っていても、相手の言葉を聞くと責められたように感じたり、これまでの不満がよみがえったりして、いつもの言い合いに戻ってしまうことがあります。それは、話し合う気持ちが足りないからとは限りません。


相手の想いに耳を傾けること、自分の想いを表現すること、どちらも大きなエネルギーと集中力を必要とすることです。その両方を同時に行う話し合いは、どれだけお互いに向き合う気持ちがあっても、思うようにいかないこともあるものです。


ふたりだけでは同じやり取りを繰り返してしまうときは、第三者と一緒に、それぞれが感じていることを整理する方法もあります。


Odenの「ふたりごと」では、どちらの子育て方針が正しいかを決めるのではなく、それぞれの考えの奥にある心配や願いを言葉にし、ふたりが一緒に考えられる入口を探します。






夫婦の子育て方針について、よくある質問


Q1.子どもの前では、夫婦の意見を必ず統一したほうがよいですか?


すべての意見をそろえる必要はありません。大人にも違いがあり、話し合えることを子どもが知る機会にもなります。ただし、子どもの前で相手を責めたり、どちらが正しいかを子どもに選ばせたりすることは避けます。「私たちも考えが少し違うので、話し合ってみるね」と伝え、落ち着いて話せる時間を取りましょう。



Q2.何度話しても平行線になるときは、どうすればよいですか?


結論を決める話から離れ、「何を心配しているか」「何を守りたいか」を一度ずつ話してみます。それでも相手を責める流れに戻ってしまう場合は、中立的な第三者と、ふたりの間で起きていることを整理するのも選択肢の一つです。



Q3.相手の言動に怖さを感じる場合も、話し合うべきですか?


暴力や威圧、監視などがあり、相手に怖さを感じる場合は、無理にふたりだけで話し合おうとせず、安全を優先してください。緊急の場合は警察へ、継続的な不安がある場合は専門の相談窓口へ相談してください。




子育ての違いは、ふたりの関係を知る入口にもなる


子育て方針の違いは、相手とわかり合えない証拠とは限りません。


意見の奥には、それぞれの経験や心配、子どもに願っていることがあります。結論だけを比べれば対立に見えても、その背景を聞くことで、共通して大切にしているものが見つかるかもしれません。


あなたは、相手の言葉を聞いたとき、何を否定されたように感じたでしょうか。本当は、相手に何をわかってほしいのでしょう。

そして、子どもが成長していく時間を、ふたりでどのような関係で過ごしたいでしょうか。


正しい方針を一度で決めることよりも、違いが生まれたときに何度でも話し直せること。その積み重ねが、子どもだけでなく、夫婦・パートナーの関係を育てることにもつながります。



子どものための話が、ふたりの対立になってしまう前に


本当は子どものことを一緒に考えたいのに、話し始めると、これまでの不満や「わかってもらえなかった」という思いまで重なってしまうことがあります。


Odenの「ふたりごと」では、子育て方針を同じにすることをゴールにせず、なぜその考えを大切にしているのか、相手に何をわかってほしいのかを順番に言葉にしていきます。


互いの背景が少しずつ見えてくると、「厳しくするか、見守るか」の二択だけではなく、その家族に合った関わり方を一緒に探せることがあります。






執筆/WRITING Oden「ふたりごと」編集部

株式会社Odenのロゴ

Oden「ふたりごと」編集部は、パートナーシップコーチング「ふたりごと」を運営する株式会社Odenの編集チームです。

親子・夫婦・家族など、大切な人との関係性を見つめ、対話を通じて関係を育てていくためのヒントをお届けします。



関連記事



bottom of page