top of page

“未完成”を楽しむプロコーチの学び合いコミュニティ「MIKAN」とは?—座談会 第1回 

  • 執筆者の写真: Info- Oden
    Info- Oden
  • 3 日前
  • 読了時間: 11分

更新日:16 時間前

MIKAN座談会第1回のカバー画像。“未完成を楽しむ”をテーマに、プロコーチが学び合うコミュニティの魅力を紹介する記事のサムネイル。

コーチングを本気で続けるほど、「この先どう成長を続ければいいのか?」と悩むコーチは少なくありません。日々の実践を振り返る場がなく、コーチ同士の交流も希薄だと、スキルアップの機会を見失いがちです。


そうした課題を解決すべく生まれたのが、プロコーチのブラッシュアップコミュニティ「MIKAN」。同じメンバーで継続的に学び合い、互いに高め合う場です。本記事では、「MIKAN」立ち上げの背景やコミュニティに込めた想い、その魅力を紹介します。



お話を伺ったMIKANメンバー


MIKAN座談会に登場するじぬのプロフィール写真。参加者支援や運営を担うメンバー。

じぬ(MIKAN運営/コミュニティマネージャー・ライフコーチ)


MIKANの日々の運営や個別サポートを担いつつ、朝活コミュニティ主宰・ライフコーチとして「場づくり」と伴走支援に取り組んでいる。

本音に寄り添い、行動と習慣を整えるサポートを大切にしている。

MIKAN座談会に登場するあきおのプロフィール写真。学びの場づくりを支えるメンバー。

あきお(OvisLamp代表/国際コーチング連盟(ICF)認定ACC)


MIKANでは研究会の企画・進行を担い、コーチングと羊毛の灯りブランド「OvisLamp」の活動を通じて、対話とあかりの両面から、人が安心して自分と向き合える「場づくり」に取り組んでいる。

MIKAN座談会に登場する会川智華のプロフィール写真。コミュニティ立ち上げの背景を語るキーパーソン。

ともか(株式会社Oden代表/国際コーチング連盟(ICF)認定PCC)


MIKANでは、全体統括を担い、コーチ同士が安心して探究し合える場づくりに取り組んでいる。ICF認定スクールでのコーチ育成にも携わり、“あり方を磨く”学びの「場づくり」を大切にしている。





プロコーチが磨き合うコミュニティ


―まず、MIKANとはどんなコミュニティでしょうか?また、Odenの中でどんな役割を持っているのでしょうか?


ともか:MIKANは、プロコーチが集まりブラッシュアップするためのコミュニティで、スキルとあり方の両方を磨き合うことを大切にしています。


コーチングの勉強会には、「テーマを決めて興味を持つ参加者が集まり、学んで解散」という場もよくありますよね。MIKANは少し違っていて、同じメンバーが継続的に関わり続けます。そうすることで、互いの強みや、いま挑戦している“未完成”な部分、そして大切にしている価値観まで見えてくるんです。


だからこそ、フィードバックも具体的になります。前回との違いがわかるから、「ここがさらに良くなりましたね」「◯◯を大切にされている観点なら、次はこんなアプローチも良さそうですね」など、相手に届く言葉を渡し合える。そんな、“つながり強め”のコーチコミュニティです。


MIKANのキービジュアル
MIKANのキービジュアル。「未完成を楽しみながら学び合う」MIKANの世界観を表現したデザイン。   


―お話を伺っていると、“つながり”を前提にした学び合いが、現場で生かせそうですね。MIKANを運営するOdenの中では、その土台づくりをどう整えているのでしょう?


ともか:Odenの中でMIKANは、現場に出ていくコーチの学びと探究を支える土台の役割を担っています。


Odenは、ご家族向けと組織向けの両方にコーチングを提供していますが、大切にしているのは「プラットフォーム」ではなくプロコーチが集まる「コーチングファーム」という考え方です。単にコーチとクライアントをマッチングする仲介の場ではありません。


プロコーチ同士がOdenに集い、スキルとあり方を磨き合い、プロとしての姿勢や人柄まで理解し合ったうえで、案件に合わせて最適なチームで価値を届ける―その在り方を大事にしています。


そのためには、プロコーチが“所属しているだけ”では成り立ちません。継続的に学び合い、つながり続ける場が必要で、その役割を担っているのがMIKANです。


現在、MIKANの全員がOdenのコーチというわけではありませんが、Odenで実際に関わっていただくコーチは、基本的にMIKANに参加し、定期的に学び合っています。MIKANは、Odenコーチの学びとつながりの「基盤」になっています。




継続的な学び合いが生むフラットなつながり


―運営を通じて大事にしている「MIKANらしさ」は?また、どんな雰囲気・文化を意識して場づくりをしていますか。


じぬ:MIKANは、コーチングを深め、自分のコーチングを磨くことに真剣に向き合う人だけが集う場です。経歴や資格の有無・年数に関わらず、「どうすれば互いにもっと良くなれるか」を起点に、愛のあるフィードバックを渡し合える―そこがMIKANらしさだと思っています。


私自身はコーチング歴1年ほどですが、長い経験を持つ方々もフラットに接してくださるので、毎回学びが多いです。資格や年数にとらわれず、多様な視点で磨き続けられる空気を大切にしています。



―具体的には、どんなやり取りが生まれていますか?


じぬ:アドバイスのやり取りや、「私はそのときこうしました」という経験のシェア、「これを試したらうまくいきました」という実践報告が自然なやりとりとして生まれます。


あたたかいだけの“なかよし”で終わらせず、きちんと高め合える――そんな文化と雰囲気になるよう意図して運営しています。要するに、みんなフラット。互いを尊重し、実践で得た学びやノウハウを惜しみなく交換できる場づくりを心がけています。



答えのない問いを語り合う哲学対話


哲学対話での「‟自分の中にある答え”はどこからくるのか?」の回。
「”自分の中にある答え”はどこからくるのか?」の回。コーチングでも度々言われる「クライアントの中の答え」という言葉を、当たり前とせず、”答えの出どころ”を一緒に探っていきました。

―“あたたかさ×高め合い”の空気感が伝わりました。その土台となるプログラムとして哲学対話や研究会を実施していると伺いました。どのような経緯で始まったのでしょうか。


あきお:哲学対話は、MIKANの初期から続けているプログラムのひとつです。きっかけは、僕自身が別の場で哲学対話に参加したことでした。一つの答えがないテーマを前に、大人が2、3時間「ああでもない、こうでもない」と語り合う。その時間に、日常では得がたい豊かさを感じたんです。


生産性ばかりを追い求めるのではなく、「これ気になるよね」「どういうことなんだろうね」と語り合える時間そのものがとても貴重で豊か。そういう時間を、コーチの皆さんとも共有したい―それが始まりでした。



―コーチの方々にとって、哲学対話のような場はどんな意味を持つのでしょうか?


あきお:コーチの皆さんは学びに熱心で、インプット量も多い一方、それを自分の中でじっくり練り直し、「自分の言葉」にして外に出す機会は意外と少ない。だからこそ哲学対話という形で、普段思っていることや感じていること―「僕はこう思う」「私はこういう価値観なんです」を、安心して言葉にできる場をつくりました。


それ自体が発散にも学びにもなるし、他の人の考え方にも触れられて面白い。今では継続して参加してくださる方も多く、「自分の言葉で話せる場所」があること自体に大きな意味があると感じています。



―実際の“場の手触り”を教えてください。


あきお:参加者の経験はさまざまですが、共通して「自分の頭で深めたい」という温度感があります。教わって終わりではなく、受け取ったことを自分の言葉で確かめ、「じゃあ、こういう時は?」「次はこれを試してみます」という問いや一歩が自然に生まれる。


意見の強さより関心の深さを大切にする空気で、発言の量や経験に関係なく、すべての意見が丁寧に扱われる―そんな場だと感じています。



“学ぶ・実践・交流”でスキルと視点を磨く


―何か印象に残っているエピソードはありますか?


じぬ:印象に残っているエピソードは本当にたくさんあり、ここではとても挙げきれません。


大きく分けると、MIKANには「学ぶ」「実践する」「交流する」という3つの要素があります。ひとつはインプット中心で知識や視点を深める“学ぶ”要素が多いプログラム、コーチングを実際にやってみてフィードバックを受ける“実践”の場、そして他のコーチと座談会という形でざっくばらんに話し、新しい視点を取り入れて自分の気づきにつなげていく“交流”プログラム。MIKANは、この3つが循環することで、学びが定着しやすくなっていると感じます。



MIKANのイベントカレンダー。毎月ユニークで多彩なプログラムが楽しめる。
MIKANのイベントカレンダー。毎月ユニークで多彩なプログラムが楽しめる。

―“学ぶ”、“実践”、“交流”、それぞれがMIKANらしいプログラムですね。まず、“学ぶ”プログラムについて具体的に教えていただけますでしょうか。


じぬ:“学ぶ”の方でいちばん反響が大きいのは、ICFのコア・コンピテンシーを扱う回です。各要素が実際のコーチングセッションの「どの場面で/どう発揮されたか」を丁寧に見ていきます。


動画や音声、ログを素材に観察と言語化を重ね、「ここはこのコンピテンシーが発揮されている」「この伝え方は自分も取り入れてみたい」と具体的に落とし込む。ここまで深く紐づけて考える機会は意外と少なく、一人では届きにくく、複数の意見があるからこそ得られる学びです。


コーチングスクールでも踏み込みづらい領域まで探究できるため、資格取得を目指す方にも既に資格を持つ方にも満足度が高いと感じています。ともかさんが一番楽しみにしている回かもしれません(笑)。回の終わりに交わされる感想や、皆さんの表情がぐっと変わる瞬間は、いつも強く印象に残ります。


―では、“実践する”プログラムにはどんな特徴がありますか?


じぬ:“実践する”の代表的な場が、「トライアングルコーチング」という研究会です。コーチ・クライアント・オブザーバーの3つの役割を参加メンバーで順番に回していきながら、セッションを実際に行い、その場でフィードバックを交わしていきます。


お互いの背景やコーチングへの想いをある程度知っているメンバーで行うので、「以前より〇〇なところが磨かれている」「〇〇さんの大切にしているあり方が体現されているセッションだった」など、一歩踏み込んだフィードバックを毎回もらえるのが特徴です。


また、フィードバックを“受ける”だけでなく、“伝える”側としても練習になるうえ、スクールや経歴の異なるコーチのセッションに触れられるので学びがとても多いと感じています。学んだことを実際に試し、次のセッションに活かしていける「橋渡し」のような場ですね。



―“学ぶ”の会と“実践する”場があってこそ、気づきが日々のセッションにつながっていきそうですね。“交流”のプログラムにはどんな特徴があるのでしょうか?


じぬ:“交流”では、たとえば「コーチングの失敗談をざっくばらんに話そう」という座談会が印象的でした。経験や資格に関係なく集まって、「こんな失敗があった」「そこからこう学んだ」と本音でシェアする回です。


失敗を誰かと共有する場は案外限られているからこそ、「みんな同じなんだ」という安心感や、「次はこうしてみよう」という具体的な気づきが生まれる。コーチングの深まりにも、“あり方”を考える上でも有意義な時間だと感じています。



「つながり続ける場所」としてのMIKAN


―続いてともかさんに伺います。他の学びの場と比べて、MIKANならではの特徴はどんなところにあると思いますか?


ともか:一言でいえば「つながり続ける場所」であることです。単発の「はじめまして」ではなく日常的に顔を合わせるから、「この方も本気だから自分も本気で伝えよう」と、遠慮にとどまらないやり取りが生まれます。


それから、いわゆる「教える側/教わる側が固定されない」ところです。「この方からもっと学びたい」と思うコーチが何人もいて、誰か一人に学びが集中するのではなく、場のあちこちに学びの軸が立つ。まさに「お互いに学び合っている。」という実感があります。

先生レベルのコーチ同士も学び合っている姿を目の当たりにできるのが、楽しいなと感じます。


もう一つは焦点の置き方。クライアント獲得「だけ」ではなく、「どうすれば価値をもっと届けられるか」「今の自分をどう超えていけるか」をみんなで真剣に探っている。向上心の熱量が場を押し上げていて、毎回とても刺激的だなと感じます。


MIKAN座談会第1回のZoom風画像。会川智華、じぬ、あきおの3名がオンラインで対話している様子。


―私もコア・コンピテンシーの会に参加させてもらいましたが、学ぶ姿勢とあたたかい空気の中、互いを尊重して考えを深め合う時間が印象的でした。



まとめ


MIKANが大切にしているのは、「継続 × フラットな関係性 × 現場の学び」。つまり、同じ顔ぶれで学び続ける環境、立場に関係なく対等に話すこと、日々のセッションで試して手ごたえのあったやり方を持ち寄ることです。


こうした関わりがあるからこそ、前回からの変化を踏まえた“あなた向け”のフィードバックが生まれ、視点が広がり、迷ったときの判断もそろっていきます。日々のセッションで何を変えるかがはっきりし、質を着実に高めていきます。


【第2回】では、メンターコーチングや資格取得サポートなど、プロコーチの学びを支える具体的な取り組みに迫ります。



【MIKANに関心を持ってくださった方へ】


「同じメンバーで継続的に学び合える場を探している」

「スキルだけでなく、自分の“あり方”も磨いていきたい」


そんな方は、MIKANコミュニティのご案内ページもぜひご覧ください。





MIKANでの学びや探求の様子は、Oden公式noteのマガジン「未完成を楽しむコミュニティ」でも発信しています。




執筆/WRITING Oden編集部

株式会社Odenのロゴ

Oden編集部は、組織コーチング・パートナーシップコーチング・コーチのスキルとあり方を学ぶコミュニティ(MIKAN)での実践と知見をもとに、現場で役立つヒントや最新トレンド、事例をお届けします。


bottom of page